2008年01月28日
本質を欠いた道路特定財源についての議論
最近の原油高をもたらしているのは、石油市場を利用したファンドが理由であるのは周知の所であるが、それを中国などの発展途上国の急激な需要拡大のせいにしようとする原油高の本質を覆い隠そうとする発言には意図的なものを感じる。しかし、実際ここ数ヶ月前からの原油高によってもたらされたガソリンの高騰は確実に一般消費者である国民の生活に直接的にだけではなく、間接的にも重くのしかかってきている。直接的には公共交通機関を利用出来ない自動車ユーザーの家計を直撃し、暖房費の増大は特に寒冷地の家計を圧迫している。また間接的には輸送費の高騰は諸物価を引き上げ、また漁船の燃料代の上昇は水産分野においてもその従事者の生計を圧迫し、水産物の価格を引き上げる結果をもたらすこととなっている。今後、電気やガスに関しても料金の引き上げが予定されているらしい。
こう考えると公共交通機関が少なく、一次産業に携わることの多い地方が一番の犠牲となっているという格差の構図がまたしてもここでも見えてくる。
今になって今更のようにマスコミや国会を賑わしている「ガソリン税」であるが、原油高になって国民の生活を圧迫していることは紛れもない事実であるし、それを何とかしようとしない政治のあり方には怒りさえ覚える。
税とは国民の生活を豊かにするために使われてこそ、その本来の意味があるといえるし、またその義務を果たした納税者は、その使われ方を監視し提言する権利があるとも言える。それで道路特定財源の一部となっている「ガソリン税」について検証してみたい。
1.私達がガソリンに対して支払っている税金とは
私達がガソリンや軽油に支払っている税金は原油を輸入する段階で「原油関税」と「石油税」が課税され、製品段階で ガソリンには「ガソリン税」が、軽油には「軽油引取税」が課せられ、 さらに消費段階で「消費税」が課せられている。
ガソリン税を例にとって説明すると税率はガソリン1リットルあたり53.8円となっている。しかし、このガソリン税は1970年代のオイルショックを機に、暫定措置として「租税特別措置法」が成立、租税特別措置法89条2項により、揮発油1キロリットルにつき、揮発油税が48,600円となったもので、30年間以上延長されており、2008年3月31日をもって期限を失効する。
ガソリン税の内訳は1リットルあたり
揮発油税48.6円+地方道路税5.2円=53.8円 であり
上記暫定税率施行前は
揮発油税24.3円+地方道路税4.4円=28.7円であった。
最近よく耳にする暫定税率25円の軽減とはこれらの差額である。
(暫定税率25円の廃止後にガソリン税から減収される額は揮発油税△14,197億円+地方道路税△473億円と言うことになる。)
*最近自民党が言っている28,000億円は、その他の道路特定財源の暫定税率の削減分も含めての額であり、議論をごまかしている。
揮発油税・地方道路税のいずれもが「国税」で道路特定財源であり、販売量に対して一律に事業者に課税され、ガソリンの価格に左右されることなく課税されるが、消費者の負担に転化されていることには代わりがない。すなわち間接税である。
しかし、ここで気になるのは、「地方道路税」は地方税ではなく国税であり、地方道路譲与税として国が地方公共団体に配分する点である。タバコにかかる税金の一部が地方公共団体の財源となるのとは異なっており、その配分権限が国交省にあると言うことなのである。
また私達はガソリン税を支払っているのに更に消費税を支払っており、消費税の方はガソリン価格の高騰によって増税となり、ガソリン価格が仮に30円上がれば約25%の消費税の増収となる。しかし、消費税の増収金額に対する議論や報道がないのはどうしてだろう。
この様に私達はガソリン税を支払い、更に消費税も支払うという二重にガソリンの購入に対して納税していることになる。これは二重課税(タックス・オン・タックス)になるではないのか。
《参考》
「揮発油税」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO055.html
「地方道路税」国税として「交付税及び譲与税配布金特別会計」に収納された後、その全額が地方道路譲与税として地方公共団体に配分される。根拠法は地方道路譲与税法
2.道路特定財源はガソリン税や暫定税率だけではない
道路特定財源には次のような物がある。
・国
揮発油税
地方道路税
石油ガス税
自動車重量税 - 車検時にかかる税金
・地方
軽油引取税
自動車重量税
以上のように燃料にかかる税以外に「自動車重量税」や「自動車重量税」があることが分かる。更に「一般財源」から道路特定財源に約17,700億円が投入されている。
<国交省道路局データ>
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-funds/sp-funds/sp-funds00.html
上記1.で書いたように国交省道路局データに地方道路税 を地方税収に仕分けしているのは、必ずしも正しい表現であるとは言えない。理由は国税であり、その後地方に交付金として財源委譲されるからである。
ここで言える事は、「ガソリン税」の暫定税率を無くしても「道路特定財源」は無くならないと言うことである。従って政府が言うように道路が全く出来ないとか、通学路やガードレールの設置が出来ないとか、障害者用のスロープが出来ない、除雪費が無くなるという国民生活に支障をきたすと言った主張は、ごまかしであり誠実さに欠ける主張である。民主党は、この事をどうしてはっきりと反論した上で、「ガソリン税」の暫定税率のカットによる減収は、揮発油税△14,197億円+地方道路税△473億円であり、それを補うためには、無駄な歳出となっている道路建設費以外の使途の見直しや、一部道路建設の先送り、道路保守管理費の見直しなどの歳出削減案を出せないのかと歯がゆい限りである。
3.許されない骨抜きにされた道路建設計画に対する法律
小泉政権時代に道路事業の見直しがあれだけ議論され、その結果創り出された道路建設の縮小案が今や骨抜きにされている。
一般財源化をめぐる2006年11月 - 12月の攻防の中で2006年11月に塩崎恭久官房長官はいったんは「本丸」ともいえる揮発油税も含めた一般財源化を表明したが、その後、結局
道路整備費を上回る税収分を一般財源化する方針を明記し、2008年度の高速道路利用料金引き下げの原資への充当も検討項目に盛り込みつつ、「必要な道路はつくる」ことが確認されたため、一般財源化反対派も矛を収めた。
いつの間にかあれだけ世論を含め活発だった道路建設見直し議論が、鳴りを潜めた。道路族がどうして何も言わなくなったのかという理由が予算案を見て分かった。あの時決められた法案の実態は、現行の道路特定財源の改革を棚上げにして、現行財源の牌の中で道路族が「必要な道路はつくる」という復権を果たし、ご都合主義的に一部を一般財源化するという、実質的な骨抜き法案であったということだ。よくも国民をここまでごまかし、以前になされた改革案を後退させてしまったものである。
官僚はゼネコンとのかねてよりの関係を維持する事により天下り先を確保する、政治家は道路建設という公共事業を地元に誘導する事により支持基盤を堅めて利権を得る。
本質的な議論を変質させ、利権や官僚の既得権を維持させることによって政権を維持しようとする、政府自民党の相も変わらぬ国民生活の現状と将来を考えない体質を批判せざるを得ない。
4.幾つかの提案
①ガソリン税と石油ガス税を地方税とするか、徴収後その消費量に応じて地方に再配分し、自動車重量譲与税と自動車取得税を国税とする。
この変更後、平成19年度当初予算案ベースによる地方税収は次のようになる。
暫定税率廃止前 地方分 小計 39,489 億円 暫定税率廃止後 地方分 小計39,233億円
今回の暫定税率廃止によって現行では地方財源に影響する減収額は、地方道路譲与税+軽油引取税で△5,992億円となるが、地方税に置き換えることによって、ほぼ同等の地方への配分となる。またその様に変更することによって、道路利用量に応じた地方への税収の配分は可能となる。
②自動車重量税・自動車重量譲与税・自動車取得税に対する暫定税率を存続維持し、道路特定財源を一般会計とする。
すなわち国の取り分となる自動車重量税 5,549億円 自動車重量譲与税 3,599億円 自動車取得税 4,855億円 貸付金償還等 814億円 を一般会計とするということである。
上記1による税収の置き換えで国分小計は
置き換え前 国分小計35,093 億円 置き換え後 国分 小計 15,020 億円 となる。
以上のように2兆円減となるが、一般会計化する事により、まちづくり交付金やETC普及促進等にまで使途を拡大して道路建設以外に使用されている道路特定財源の資金使途を見直し、支出を抑制する事により無駄を省く必要がある。
最近になって政府が暫定税率の廃止に対する反対根拠として、国民生活に支障をきたすとしているが、平成18年度で 道路建設以外に使用されている金額は1,569億円もある。
詳しくは日本自動車連盟(JAF)のHPを参照されたい。
https://www.jaf.or.jp/enquete/signature/200601sig_index.htm
また、道路特定財源を特別会計から外すことによって、税収全体のバランスシートの中で道路建設のコストの見直しや建設計画を一部先送りにする事を再検討し、国家予算の支出の優先順位に基づき決定することが可能となると思われる。
5.政府説明の矛盾
①道路に関する財源は決してガソリン税の暫定税率を廃止することにより無くなるものではない。
②ガソリン税は国際比較から見ると高額負担ではないが、自動車の取得や保有にかかる税負担は国際比較の中では一番高額負担である。
6.本質を欠いた議論は不毛でしかない
地方と都市の格差拡大 ・一部大企業と中小企業の収益格差
この裏に潜む物は冨の分配構造の変化であり、それは税の徴収のあり方と税をどのように国民のため使うかと言うことを再構築しないと解決しないと思われる。
しかし、未だ政治はその事に対してグローバルなグランドデザインを示すことが出来ずにいる。継ぎ接ぎだらけの税制改革では、抜本的な問題が解決しないと思われる。これからの日本の将来と国民生活の現状を踏まえた根本的な税制改革が求められているにも拘わらず、あまりにも私達の国家は無策である。
税とは国民の生活と安全を守るために使われるものであり、その優先順位は、国民生活の現状を見据えたものではならない。受益者負担の原則を踏み外してはならないが、格差が拡大する国民生活の現状にあって、それはまず弱者救済のための公共的目的を実現するものでなくてはならない。身勝手な政治の暴走は、更なる国民生活の困窮を招く結果にしか成らない。最近次々と顕著になってくる税金の「国民生活のため」という本来の目的を逸脱した流用は、決して許されないものである。事の本質を私達はしっかり見据えたいものである。
こう考えると公共交通機関が少なく、一次産業に携わることの多い地方が一番の犠牲となっているという格差の構図がまたしてもここでも見えてくる。
今になって今更のようにマスコミや国会を賑わしている「ガソリン税」であるが、原油高になって国民の生活を圧迫していることは紛れもない事実であるし、それを何とかしようとしない政治のあり方には怒りさえ覚える。
税とは国民の生活を豊かにするために使われてこそ、その本来の意味があるといえるし、またその義務を果たした納税者は、その使われ方を監視し提言する権利があるとも言える。それで道路特定財源の一部となっている「ガソリン税」について検証してみたい。
1.私達がガソリンに対して支払っている税金とは
私達がガソリンや軽油に支払っている税金は原油を輸入する段階で「原油関税」と「石油税」が課税され、製品段階で ガソリンには「ガソリン税」が、軽油には「軽油引取税」が課せられ、 さらに消費段階で「消費税」が課せられている。
ガソリン税を例にとって説明すると税率はガソリン1リットルあたり53.8円となっている。しかし、このガソリン税は1970年代のオイルショックを機に、暫定措置として「租税特別措置法」が成立、租税特別措置法89条2項により、揮発油1キロリットルにつき、揮発油税が48,600円となったもので、30年間以上延長されており、2008年3月31日をもって期限を失効する。
ガソリン税の内訳は1リットルあたり
揮発油税48.6円+地方道路税5.2円=53.8円 であり
上記暫定税率施行前は
揮発油税24.3円+地方道路税4.4円=28.7円であった。
最近よく耳にする暫定税率25円の軽減とはこれらの差額である。
(暫定税率25円の廃止後にガソリン税から減収される額は揮発油税△14,197億円+地方道路税△473億円と言うことになる。)
*最近自民党が言っている28,000億円は、その他の道路特定財源の暫定税率の削減分も含めての額であり、議論をごまかしている。
揮発油税・地方道路税のいずれもが「国税」で道路特定財源であり、販売量に対して一律に事業者に課税され、ガソリンの価格に左右されることなく課税されるが、消費者の負担に転化されていることには代わりがない。すなわち間接税である。
しかし、ここで気になるのは、「地方道路税」は地方税ではなく国税であり、地方道路譲与税として国が地方公共団体に配分する点である。タバコにかかる税金の一部が地方公共団体の財源となるのとは異なっており、その配分権限が国交省にあると言うことなのである。
また私達はガソリン税を支払っているのに更に消費税を支払っており、消費税の方はガソリン価格の高騰によって増税となり、ガソリン価格が仮に30円上がれば約25%の消費税の増収となる。しかし、消費税の増収金額に対する議論や報道がないのはどうしてだろう。
この様に私達はガソリン税を支払い、更に消費税も支払うという二重にガソリンの購入に対して納税していることになる。これは二重課税(タックス・オン・タックス)になるではないのか。
《参考》
「揮発油税」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO055.html
「地方道路税」国税として「交付税及び譲与税配布金特別会計」に収納された後、その全額が地方道路譲与税として地方公共団体に配分される。根拠法は地方道路譲与税法
2.道路特定財源はガソリン税や暫定税率だけではない
道路特定財源には次のような物がある。
・国
揮発油税
地方道路税
石油ガス税
自動車重量税 - 車検時にかかる税金
・地方
軽油引取税
自動車重量税
以上のように燃料にかかる税以外に「自動車重量税」や「自動車重量税」があることが分かる。更に「一般財源」から道路特定財源に約17,700億円が投入されている。
<国交省道路局データ>
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-funds/sp-funds/sp-funds00.html
上記1.で書いたように国交省道路局データに地方道路税 を地方税収に仕分けしているのは、必ずしも正しい表現であるとは言えない。理由は国税であり、その後地方に交付金として財源委譲されるからである。
ここで言える事は、「ガソリン税」の暫定税率を無くしても「道路特定財源」は無くならないと言うことである。従って政府が言うように道路が全く出来ないとか、通学路やガードレールの設置が出来ないとか、障害者用のスロープが出来ない、除雪費が無くなるという国民生活に支障をきたすと言った主張は、ごまかしであり誠実さに欠ける主張である。民主党は、この事をどうしてはっきりと反論した上で、「ガソリン税」の暫定税率のカットによる減収は、揮発油税△14,197億円+地方道路税△473億円であり、それを補うためには、無駄な歳出となっている道路建設費以外の使途の見直しや、一部道路建設の先送り、道路保守管理費の見直しなどの歳出削減案を出せないのかと歯がゆい限りである。
3.許されない骨抜きにされた道路建設計画に対する法律
小泉政権時代に道路事業の見直しがあれだけ議論され、その結果創り出された道路建設の縮小案が今や骨抜きにされている。
一般財源化をめぐる2006年11月 - 12月の攻防の中で2006年11月に塩崎恭久官房長官はいったんは「本丸」ともいえる揮発油税も含めた一般財源化を表明したが、その後、結局
道路整備費を上回る税収分を一般財源化する方針を明記し、2008年度の高速道路利用料金引き下げの原資への充当も検討項目に盛り込みつつ、「必要な道路はつくる」ことが確認されたため、一般財源化反対派も矛を収めた。
いつの間にかあれだけ世論を含め活発だった道路建設見直し議論が、鳴りを潜めた。道路族がどうして何も言わなくなったのかという理由が予算案を見て分かった。あの時決められた法案の実態は、現行の道路特定財源の改革を棚上げにして、現行財源の牌の中で道路族が「必要な道路はつくる」という復権を果たし、ご都合主義的に一部を一般財源化するという、実質的な骨抜き法案であったということだ。よくも国民をここまでごまかし、以前になされた改革案を後退させてしまったものである。
官僚はゼネコンとのかねてよりの関係を維持する事により天下り先を確保する、政治家は道路建設という公共事業を地元に誘導する事により支持基盤を堅めて利権を得る。
本質的な議論を変質させ、利権や官僚の既得権を維持させることによって政権を維持しようとする、政府自民党の相も変わらぬ国民生活の現状と将来を考えない体質を批判せざるを得ない。
4.幾つかの提案
①ガソリン税と石油ガス税を地方税とするか、徴収後その消費量に応じて地方に再配分し、自動車重量譲与税と自動車取得税を国税とする。
この変更後、平成19年度当初予算案ベースによる地方税収は次のようになる。
暫定税率廃止前 地方分 小計 39,489 億円 暫定税率廃止後 地方分 小計39,233億円
今回の暫定税率廃止によって現行では地方財源に影響する減収額は、地方道路譲与税+軽油引取税で△5,992億円となるが、地方税に置き換えることによって、ほぼ同等の地方への配分となる。またその様に変更することによって、道路利用量に応じた地方への税収の配分は可能となる。
②自動車重量税・自動車重量譲与税・自動車取得税に対する暫定税率を存続維持し、道路特定財源を一般会計とする。
すなわち国の取り分となる自動車重量税 5,549億円 自動車重量譲与税 3,599億円 自動車取得税 4,855億円 貸付金償還等 814億円 を一般会計とするということである。
上記1による税収の置き換えで国分小計は
置き換え前 国分小計35,093 億円 置き換え後 国分 小計 15,020 億円 となる。
以上のように2兆円減となるが、一般会計化する事により、まちづくり交付金やETC普及促進等にまで使途を拡大して道路建設以外に使用されている道路特定財源の資金使途を見直し、支出を抑制する事により無駄を省く必要がある。
最近になって政府が暫定税率の廃止に対する反対根拠として、国民生活に支障をきたすとしているが、平成18年度で 道路建設以外に使用されている金額は1,569億円もある。
詳しくは日本自動車連盟(JAF)のHPを参照されたい。
https://www.jaf.or.jp/enquete/signature/200601sig_index.htm
また、道路特定財源を特別会計から外すことによって、税収全体のバランスシートの中で道路建設のコストの見直しや建設計画を一部先送りにする事を再検討し、国家予算の支出の優先順位に基づき決定することが可能となると思われる。
5.政府説明の矛盾
①道路に関する財源は決してガソリン税の暫定税率を廃止することにより無くなるものではない。
②ガソリン税は国際比較から見ると高額負担ではないが、自動車の取得や保有にかかる税負担は国際比較の中では一番高額負担である。
6.本質を欠いた議論は不毛でしかない
地方と都市の格差拡大 ・一部大企業と中小企業の収益格差
この裏に潜む物は冨の分配構造の変化であり、それは税の徴収のあり方と税をどのように国民のため使うかと言うことを再構築しないと解決しないと思われる。
しかし、未だ政治はその事に対してグローバルなグランドデザインを示すことが出来ずにいる。継ぎ接ぎだらけの税制改革では、抜本的な問題が解決しないと思われる。これからの日本の将来と国民生活の現状を踏まえた根本的な税制改革が求められているにも拘わらず、あまりにも私達の国家は無策である。
税とは国民の生活と安全を守るために使われるものであり、その優先順位は、国民生活の現状を見据えたものではならない。受益者負担の原則を踏み外してはならないが、格差が拡大する国民生活の現状にあって、それはまず弱者救済のための公共的目的を実現するものでなくてはならない。身勝手な政治の暴走は、更なる国民生活の困窮を招く結果にしか成らない。最近次々と顕著になってくる税金の「国民生活のため」という本来の目的を逸脱した流用は、決して許されないものである。事の本質を私達はしっかり見据えたいものである。


